東京年中行事

浅草羽子板市(浅草寺)


浅草観音堂の境内では、徳川時代の昔から年の瀬を送る歳の市が開かれてきました。当初は諸国の物産が売られていたようですが、文化文政の頃から、女の子の成長を願う羽子板が主力商品になったといわれます。

羽子板は昔から正月を彩る女子の遊びでしたので、正月を目前に控えた歳の市において、女の子への贈り物として、この上ない品物だったのでしょう。

羽子板は次第に装飾性に富んだものになり、歌舞伎役者の似顔絵などが華美に飾られるようになりました。中には芸術性に優れた作品も多く出品されるようになります。

昭和25年頃からは、市の名称も羽子板市とされるようになり、東京の暮の風物詩になりました。
(右は、羽子板を抱えて仲見世を歩くお嬢さんたちです。)





観音堂の周辺に羽子板の店約50店が並びます
伝統的な羽子板を売る店やコンパクトなものを売る店などさまざまです
羽子板の図柄には当世の流行を反映して
スポーツ選手やアイドルなどさまざまなものが見られます


人気の中心は女の子の華麗な着物姿と昔ながらの役者絵です
またNHKのテレビドラマ「義経」にあやかった武者姿のものもあります
売れ筋は1万円から5万円のものだそうです


羽子板に囲まれて、にこやかに客に挨拶する主人
商いが成立すると、客と一緒に手締めを行います


羽子板の製作者はかつては東京の下町の人々でしたが
現在では埼玉方面からやってくる人が中心だそうです

関連サイト:浅草漫歩 植木市  ほおづき市 朝顔市 酉の市
羽子板市 三社祭








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