生きる喜び 九


エイコ ぼくはいつか君に
君の名がぼくの初恋の人の名と同じだといったね
ぼくがまだ少年だった頃
ぼくが心をときめかした美しい人
その人の名と君の名が一致しているのは
なにか不思議な感じがするけれど

エイコ 少年だった頃のぼくは
自分の前に広がってる世界がまぶしくて
そこにどう自分の身を置いたらいいのか
まるで分からなかった
ぼくは美しくてやさしい人
その人の名はエイコといったのだけれど

その人の姿を見るたびに心が騒ぎ
その騒いでいる自分の心が
なぜあんなにも騒いだのか
それさえもわからなかった
ぼくは自分の心の感じてることが
ごく当たり前の自然なことだとも知らなかった

ぼくはやがて少年から男になって
ぼくの思い人も少女から女になった
女になった彼女はますます美しくなって
彼女を見るたびにぼくの心はますます騒いだ
でもぼくはわからなかったんだ
どうしたら彼女と恋人になれるかと

エイコ この名前を口にしたからといって
ぼくが初恋の人にこだわってるわけではないよ
ぼくにとっては君は君
君は美しくそしてやさしい
そしてその君の名はエイコ
ぼくにとってかけがえのない名前

エイコ 君の名はぼくにはとても自然に響く
そんな君の名を呼ぶとき
ぼくは心から自然な気分になって
君の名の美しい響きに包まれるのを感じる
エイコ 君の名は美しい
エイコ 君の名はぼくの心にやさしく響く




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作者:愛の詩人とその恋人
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