女と男 十二


エイコ 君はぼくとキスするとき
タバコの匂いが気になるというから
ぼくは君とデートする日には
朝から吸うのを我慢して
その上丁寧に歯磨きまでして
君と会うのに備えるようにしたんだ

だからぼくと正面から向き合って
ぼくの口元をよく見てごらん
ほらタバコの匂いなんかしてないだろ
さあ君の顔をぼくの顔に近づけて
ぼくのキスをうけとめておくれ
決してタバコの匂いなんかしないだろ

四枚の唇を重ね合わせると
ぼくはうっとりして幸せな気分さ
君の口の中にぼくの舌を入れて
君の舌にからみつかせておくれ
君の舌は柔らかくていい味がするよ
ぼくの舌にはタバコの味がしないだろ




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作者:愛の詩人とその恋人
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