緋色の愛 二十二


エイコ 今日の君はとてもいい匂いがするよ
ナポレオンがジョゼフィーヌにあこがれた
チーズのような匂いとは違うけれど
甘酸っぱいような つんと来るような
それでいてとてもいい匂いがしているよ
エイコ 今日の君はとてもいい匂いがするよ

エイコ この匂いは首筋からも脇の下からも
おへそからも お尻からも そしてあそこからも
きみの体中のあちこちから染み出て来るね
君は女性の形をした香木の精みたいだよ
君のおへその下の豊かな毛の林に顔を埋め
君のあやしい匂いにいつまでもひたっていたい

エイコ 君の匂いはぼくをメロメロにするよ
またたびに酔いしれたトラのように
ぼくは全身がフニャフニャになっちゃうよ
でもひとつだけ元気なところがある
そいつにも君の匂いをこすりつけてやりたい
エイコ 今日の君はとてもいい匂いがするよ




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作者:愛の詩人とその恋人
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