編集者あとがき


ここに収録した88篇の詩は、私の友人とその恋人との間に歌い交わされた愛のバラードである。私が始めてそれらの詩を読んだときの驚きと感動とは、言葉で言い表せないくらい、衝撃的なものだった。読者もまた、その驚きと感動とを、やがて私と共有するだろうと信じている。

私は故あって、この友人の名を明らかにしない。ただ「愛の詩人」とだけ言っておきたい。この友人の恋人の名は、私にはつまびらかではないが、詩の中では「エイコ」と呼びかけられていることからして、恐らく「エイコ」という名の女性なのであろう。

一群の詩は、私の友人とその恋人との出会いに始まり、二人の甘美な愛の営みを経て、やがて別れなければならなかった、その一連の事情を、時間を追って物語るものとなっている。だから読者は一つ一つの詩を、ふたりのトータルな関係の中で位置づけながら、読み進めることを勧める。

私はこの二人の間柄について、これらの詩を読むまでは知るところがなかった。だがそれらが物語っているように、ふたりの愛は不倫の愛であったようだ。それ故に、ふたりは別れざるを得なかったのだろう。

私はその友人からこれらの詩を委託されて、ここにひっそりと公開することにした。詩集全体の題名を「緋色の愛」としたのは、一篇の詩の中にあったこの言葉が、ふたりの愛をもっとも鮮烈に物語っていると感じたからである。

                 平成21年初春    壺齋散人 識




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作者:愛の詩人とその恋人
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