生きる喜び 三


ラブホテルってはじめて来たけど
普通のホテルと雰囲気が違うのね
怪しそうな外観がいかにもそれって感じで
中に入るのが恥ずかしい気分だわ

フロントの女の人も無言だし
ずらりと並んだ写真の中から
自分で気に入った部屋を選ぶなんて
ゲームをしてるみたいで面白いわね

鍵を受け取って部屋へ向かう途中
若いカップルとすれ違ったけど
あっけらかんとして満足そうな顔してたわ
ふたりとも楽しい時間を過ごしてたのね

部屋の中はこれがまたびっくり
ギンギラギンの飾りがあちこちにあって
壁や天井には鏡がついてて
お風呂はガラス張りでシースルー

このベッドときたらいやに大きいわね
親子四人でも眠れそうじゃない
ごめんなさいね こんなこといって
枕元にはコンドームがふたつ置いてあるわ

ふたりとも すっぽんぽんの裸になって
あなたはわたしを両腕で抱えて
お風呂まで運んでくれるけど
足元がふらふらよ しっかりして

あなたはいつもの茶目っ気を出して
私を抱いてるところを鏡に映す
私のあそこまで映し出そうとする
よしてそんなこと 恥ずかしいじゃない

いっしょにお風呂に入るって楽しい
あなたはわたしのおっぱいをもんだり
お尻に手をまわしたりするけど
ヴァギナへ指を入れるのはやめてね

ヴァギナでお遊びはベッドの上で
でないとお湯が入っちゃうでしょ
でもこのベッドほんとに大きい
ふたりでお相撲をとれるくらいね

さあいいわよ 思いっきりわたしを抱いて
思いっきりわたしを喜ばせて
天井の鏡に映った私の顔を
ほとばしる喜びではちきれさせて

ラブホテルってはじめてきたけど
普通のホテルと大分感じが違うのね
おかげで今夜のわたしは雰囲気に飲まれて
心もあそこもべちょべちょになったわ




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作者:愛の詩人とその恋人
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