愛のときめき 三


エイコ 外は桜の花が咲いて春爛漫
二人で弁当を持って花見に行こう
御苑の桜の樹の下に並んですわり
花吹雪を浴びながらお昼を食べよう

こういうとぼくらは胸をはずませて
手をつなぎあって街を歩き
咲き誇る御苑の桜の樹の下に
並んで座って弁当を広げた

一面に青い空がまぶしく光り
咲き広がった桜の花がぼくらをピンクに包む
ぼくらは春の気配にうっとりとして
芽吹き始めた芝生の上に寝転んだ

ぼくの隣には君が寝ている
手を伸ばすと君の腰に届く
ぼくは君を抱きたくなったよ
春の伸びやかな気配がぼくをそそのかすんだ

でもいきなり君に抱きついたりしたら
きっとびっくりして拒絶されるだろう
でもこんな機会は滅多にないし
どうしよう どうしたらいいんだろう

ぼくのそばには君の胸がみえる
呼吸するたびに上下に揺れている
ぼくは自分の心にいいきかせる 
ここがロドスだ ここにて跳べ

そこでぼくは他愛ないことを話しながら
君の気分を油断させておいて
そっと君の肩をぼくのほうに引き寄せながら
君の腰を優しく抱いたんだ

君はびっくりしなかったね
君はぼくを拒絶しなかったね
ぼくは有頂天になったよ
君がぼくを受け入れてくれたから

エイコ 桜が咲いて世界はまさに春爛漫
ぼくらの心の中も桜色に染まる
エイコ ぼくはとても感じるんだ
生きる喜びって こんなことをいうんだと




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作者:愛の詩人とその恋人
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