女と男 六


ねえあなた
キスしてくれるのはうれしいけれど
決して変なところには
キスしないでね

このまえも
あなたはわたしの耳筋にキスした
そのときのあなたの唾液の匂いが
いつまでも消えずにいて

あなたと別れて
家に帰った後 娘からいわれたわ
お母さん誰かにキスされたでしょう
耳筋からそんな匂いがでているよって

ほんとうにびっくりしたわ
あなたがわたしにキスしたとき
耳筋にあなたの匂いが残ったのよ
それを娘に気づかれたんだわ

あなたとの愛は
誰にも知られたくないの
まして自分の娘にだけは絶対にいや
だから変なところにキスしないで

ねえあなた
キスしてくれるのはうれしいけれど
時と場所柄をわきまえてね
よく考えてキスしてね




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作者:愛の詩人とその恋人
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