山手十番館(F4号 ウォーターフォード 2003年)

山手資料館の北側にあるちょっとした広庭には、椅子やテーブルが並べられていて、一休みするにはもってこいの場所となっている。とはいっても、わざわざ通りすがりの人のために設けられているのではない。山手十番館というレストランの屋外テラスなのである。資料館自体がこのレストランの敷地内に建っているのであるが、通りすがりの人であっても、遠慮なしに椅子に憩うことができる。

このレストランの建物も、隣接する他の洋館同様、なかなか洒落た作りが人の目を引く。だが、建てられたのはそう古いことではなく、明治百年を記念してというから、昭和四十年台の建築物である。山手地区は、古くからそのままに立っている洋館のほかに、外の場所から移築したものや、このように新たなものも加えながら、全体として統一した景観を作り上げてきたのである。

この絵は資料館の側から十番館の方向を眺めたもの。新緑の樹下に憩人々の姿に絵になるものを感じたのであった。




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