横浜開港記念会館(24×32cm ヴェランアルシュ 2002年)

横浜ときいて、人は何を思い浮かべるだろうか。 多くの人は、中華街とそれに結びついたエキゾチックなイメージを思い浮かべるであろう。また、山下公園と、その先に広がる港のイメージを思い浮かべる人も多いに違いない。更には、近年開発されたみなとみらい地区の高層ビル群を、横浜の新しいシンボルとして、思い浮かべる人があるかもしれない。

だが、私のように、好んで絵を描く人間にとっては、横浜を象徴する風景といえば、開港記念会館の、赤いレンガの建物なのである。ことほどさように、この建物は、人の絵心をそそるのである。

入り口に置かれた看板に、この建物の由来が書いてある。それによれば横浜開港五十周年を記念して、旧横浜町会所のあった場所に、大正六年に建てられた。その後関東大震災で甚大な被害を被り、長らく塔を欠いた状態だったが、平成の初年にいまの形に復元されたとある。なるほど、波乱に富んだ歴史を背負っている。その風格は、この歴史の厚みから醸し出されているのかもしれない 




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