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  夏見の農家(23×30cm アルシュ 2002年7月)

鷹匠橋より先へ遡ると、海老川上流は、飯山満川、念田川、北谷津川に岐れ、低地に広がる田園の中をのんびりと流れる。中でもこの三筋の川が合流するあたりは広大な畑作地帯をなしていて、鷹匠橋から北側、夏見の台地に至る数丁の間は大規模な野菜畑が広がっている。夏見周辺は、同じく船橋市域内とはいっても、沿岸の漁浦部とは異なった発展をしてきた。最近は地の利を生かした近郊農業がますます盛んである。

この絵は、台地の端に立ち並んだ農家群を描いたもの。結構の立派な家が多いのは農業が成功している徴だろう。道端に腰を下ろしてスケッチしていると、一農家の人らしき者が、軽四輪車に収穫した野菜を乗せて家の庭に入っていった。大規模な市街地に接してこんな光景が眺められるのは、今時珍しいことである。

真夏の昼下がりの農道上のこととて、この外に道行く人の姿は疎らである。たまに自転車に乗って通りがかる人がいると、遠目に私の絵を覗き込む。のんびりとした一時であった。