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  本町界隈(F4 ウォーターフォード 2003年)

JR船橋駅南口広場の一角に昭和初期の船橋の町を俯瞰して描いたレリーフが据え付けられている。町は当時の国電の船橋駅から南のほうへ向かって平べったく広がり、毛細血管のような細い道に沿って低い家並が海まで続いている。海岸には漁港を挟んで塩田とラヂウム温泉がある。

船橋は先の大戦中空襲を免れたこともあり、このレリーフに描かれているような光景が今も多く残されている。町の骨格自体そう変わっていないのである。戦後急速な人口増加にかかわらず、大規模な再開発もなく、旧来の市街地に新しい建物が加わっていったため、新旧が雑然と混在するまとまりのない町になった。東京周辺の大都市にあって、アジア的混沌とでもいうべき雰囲気を最も色濃く残している所である。

この絵は京成船橋駅の西口から本町通りへと延びる路地を描いたものである。文字通り大都市の玄関口というべき場所柄にかかわらず、小祠を囲んで風俗営業の店が並び、オフィスビルやらマンションが隣り合って立っている様は、何とも奇妙な眺めではないか。