西新宿・放射6号線拡幅現場(25×34cm ワトソン 2004年9月)

新宿職安通りを西に歩んで鉄道のガードをくぐり、百人町の交差点を渡ると道は税務署通りと名を変える。かつては幅の狭い路地のような道であったが、いまはその幅を拡げる工事が行われている。放射6号線の整備工事である。雑然とした道に沿って更に西の方向へ歩いているうち、絵にあるような光景に出会った。建物の前面が新しい道路線に従って切りはがされ、その切り口がベニヤ板で覆われていたのだった。

公共工事のために用地を提供する沿道の人々は、それぞれの敷地の条件にしたがって補償を受けることとなる。その地での再建をやめて他の地に移る人もいれば、その地に残って再建を図る人もいる。中には、この家の持ち主のように、建物の一部を切り取って土地を供出し、残りの部分で生活しようとする者もいる。人それぞれの生き様を感じさせるのだ。

将来この道は淀橋の袂で青梅街道に接続する。工事が完成した暁には、靖国通りの曙橋付近で分岐し、抜弁天から職安通りを経て淀橋下に至る大きな道ができる。混雑烈しい青梅街道のバイパスである。






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