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  新橋四丁目(25×34cm ヴェランアルシュ 2004年10月)

新橋の飲屋街を通り抜けて南の方向へ歩いてゆくと、やがて日比谷神社のある周辺に空地が目立つようになる。この空地は京浜国道から虎ノ門の方へ向ってのびる直線に沿ってあちこちに点在する。これらは環状2号線の道路用地として買収された土地なのである。

東京の幹線道路の大部分は終戦直後の昭和21年に計画決定された。中でも環状二号線と称されるものは外堀通りを米国大使館あたりで分岐させ新橋につなぐというもので、幅員100メートルの壮大な構想のものだった。世にマッカーサー道路などと呼ばれる。諸々の事情があって計画は中々実現しなかったが、幅を40メートルに縮小し、土地の人々の生活を考慮して再開発手法を取り入れるという条件で、ようやく事業が動き始めた。区域内に現れ始めた空地群はこの事業の進行を物語っているのだ。

これは日比谷神社の斜向かいにある空地である。日比谷神社も計画地域内にあるので、移転を迫られることとなる。並の施設と異なり神社は土地と深く結びついているので、移転には大きな困難が伴うだろう。