京島の路地2(34×25cm ワトソン 2004年8月)

わたくしが向島に勤務していた四半世紀も前の頃から、区ではこの街の不燃化に熱心で、住民に補助金を出して、家屋の不燃化を奨励してきた。この地道で息の長い取り組みがようやく効を奏し始め、街の中の建物は大方不燃建築物に変ったようだ。それでも、路地のあちこちにはいまだ木造家屋が散在しているし、それらの中には絵になるような建物もある。

別の絵の中に出てくる路地沿いの風景はそうした古いままのたたずまいを感じさせるものである。家が取り壊されまま空き地になっている場所があり、また古い家がまさに解体されようとしている光景も同居している。おそらく区の政策に沿ってこの辺一画の改造が行われるのだろう。

この絵にある路地は京島に数多くある路地のひとつを描いたものだ。往時の路地はもっと狭く曲がりくねったものが多かったような記憶があるが、いま改めて歩いてみて、ことさらに変った印象の路地はほとんど見当たらなかった。ごくありふれた下町の風景に変っている。消防の見地から、不燃化のみならず道の付け替えも行われたのだろうか。






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