神宮外苑


明治神宮外苑は、明治天皇の威徳をしのぶための壮大な事業の一環として整備されました。この事業は二つの柱からなり、一つには神となった天皇をお祀りする明治神宮の創設であり、いま一つには人間としての天皇の偉大さを回想する絵画館の建設でした。神宮外苑は、この絵画館を中心とするモニュメント群なのです。

絵画館の正面には美しいイチョウ並木が整然とならび、その周辺には明治記念館や大競技場が配置されました。後に国立競技場として建て替えられた大競技場では、学徒出陣の壮大なパレードが行われました。明治天皇の葬儀が挙行されたこの地で、天皇の霊に見守られながら出陣することに大きな意義がもたされたのです。

戦前は国直轄の施設でしたが、戦後は宗教法人としての明治神宮が管理するところとなりました。

日本の都市には珍しい、西洋的な雰囲気が当世の若者に受けて、今では多くの人びとが散策を楽しむところとなっています。






秋の深まりとともに黄金に色づくイチョウ並木は都心にあってひときわ優れた風景です
並木は絵画館参道の両側に2列づつ、計4列で並んでいます
そしてイチョウ並木の先には絵画館の威容が控えています
これは欧米のモニュメントによくみられる空間配置ですが
絵画館という施設のシンボル性を高めるために取り入れられたと思われます


イチョウは新宿御苑にあった親木の種から育てられた苗を植えたものです
空襲による損傷を受けたりしましたが、風雪に耐えて見事に育ちました
秋の紅葉のみに限らず、夏の緑陰もまたすばらしいものがあります


絵画館は正式名称を聖徳記念絵画館といいます
明治天皇の足跡を記した多くの絵画作品が展示されています


戦前からあった大競技場は、オリンピックのために現在のものに建て替えられました


神宮球場(左)と秩父宮ラグビー場(右)


日本青年館(左)とその前面にある明治公園(右)
明治公園は永らくフリーマーケットのメッカとなってきました




東京を描く東京の庭園