柳橋3(26×36cm ヴェランアルシュ 2004年7月)

柳橋は実に絵になる橋だ。程よい大きさで形がまとまっているので、構図が取りやすいためだろう。そういうわけで、またまたスケッチに足を運んでみた次第。

前回来た時は初春の頃で、柳も未だ芽吹く前だったが、今回は夏の盛りの日差しの強い一日で、ご覧のように柳の木が青々と葉を垂れている。実際のことをいうと、橋の周辺には目障りなビルが林立していて視界を狭くしているのだが、思い切ってそれらの殆どを取り除き、このようにすっきりとした構図にした。かわって、日傘を掲げた婦人たちを前景に配し、夏の日の雰囲気を強調してみた。

風景画を描くときには、これくらいの作り直しは許されるだろう。あまり度が過ぎると現場の雰囲気とかけ離れてしまうが、かといって対象に忠実過ぎると絵にはならないことが多い。特に東京の街は、形態の面でも色彩の面でもごちゃごちゃとしすぎていて、そのままに描くと、生気のない写真のような絵になってしまうのである。






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