パリ紀行
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フラゴナール香水博物館:パリ紀行その十七


十月八日(金)晴。パリ旅行最後の日なれば、朝食を済ませてチェックアウトの手続きをなし、荷物をホテルに預けて、買物に赴く。

地下鉄に乗りてショセ・ダンタン駅に至る。ここはオペラ座北側に隣接する街路オースマン通り東西に貫き、街路沿ひにはプランタン、ラファイエットなどの百貨店軒を連ねてあり。余らはまづパリ高島屋にて土産の品を物色す。



ついでフラゴナール香水博物館を訪ふ。博物館といひても普通のオフィスの一角なり。一階ロビーにて受付嬢に案内を請ふに、何処の国より来れるやと問はる、ジャポンなりと答ふれば、ややして日本人スタッフ現はれ、内部に案内せらるるなり。

案内嬢の説明には、フラゴナールとはかの肖像画で有名なフラゴナールの謂にて、本来は代々香水を生産する家系なりといふ。世界中より匂いのもととなる草花を集め、あらゆる種類の香りを市場に提供し続けて数百年、いまでも香水の原料の大部分を生産しをる由

香水は原料となる草を煮て原液を作り、それを蒸留して作る由にて、一瓶の香水を作るには数トンの草を要する由

余らは案内嬢に誘はれて、香水の匂いをききわける遊びをなせり、八種類の香水がどの花から作られたるかを当てる遊びなり、バラやスミレなど四種類は難なくききわけたれど、残りの四種類はきき誤りたり

最後に香水のセットを買ひ求めて去る



その後ラファイエット百貨店の屋上に上りて、オペラ座周辺の街並みを俯瞰し、食堂にて昼餉をなす。中華料理店がありしが、十二時まで開店せずといふ、仕方なくフランス風の食事をなす

ホテルへは十二時半頃戻り、タクシーを雇ひてシャルル・ド・ゴール空港に往く。運転手より何処のターミナルにいくべきやと問はる、詳細を知らず、運転手仕方なく友達に連絡をとり、ネットにてその所在を確認す、余は感謝の徴にチップをはずみたり

往路は日本航空の直通便なりしが、帰路はフランクフルトでのトランジットあり。パリからフランクフルトへはエール・フランスを用ふるなり。





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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2011
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