漢詩と中国文化 |
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不見:杜甫を読む |
杜甫の五言律詩「不見」(壺齋散人注) 不見李生久 李生を見ざること久し 佯狂真可哀 佯狂 真に哀れむべし 世人皆欲殺 世人皆殺さんと欲す 吾意独憐才 吾が意 独り才を憐れむ 敏捷詩千首 敏捷 詩千首 飄零酒一杯 飄零 酒一杯 匡山読書処 匡山は書を読みしところ 頭白好帰来 頭白好し帰り来たれ 李白先生と久しくあっていない、先生の佯狂ぶりはまことにすばらしかった、そのために世の中の人から憎まれ殺されようとしているが、わたしはその才能を惜しんで已まないのだ 敏捷にして詩を書くこと千首、飄零ぶりを一杯の酒に寄せる、匡山はふたりで書を読んだところですね、ともに白髪頭になってしまったが、是非もう一度わたしのところへ戻ってきて欲しい 夢の中で李白と相見た杜甫は、この詩のなかで是非現実に会いたいと願う。ともに過ごした青春の日々は遠く去り、二人とも老いてしまった。お互い生きている間に、再び会うことがかなうだろうか、杜甫のあせりは強い。 |
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作者:壺齋散人(引地博信) All Rights Reserved (C) 2009-2011 このサイトは、作者のブログ「壺齋閑話」の一部を編集したものである |